空色のこころ

心理カウンセラーの田中里美です☆よろしくお願いします

「正論」に背く勇気を認めて!〜思い出のアルバムシリーズ⑨〜

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こんにちは!

カウンセラーの 田中里美 です。

 

「思い出のアルバムシリーズ」⑨作目です。

(*心のアルバムの中に綴じてある「思い出」を取り出して、 今の心で読み解く‥「田中里美の心理発達エッセイ」です。このシリーズが好きだという声も頂いています。ありがとうございます☆)

☆☆☆

 

私が、小学4年生の頃のことです。

クラスに、Aくんという男子がいました。

夏休み明けの‥9月1日、Aくんは、宿題を一つも持ってきませんでした。

 

担任は悪い先生ではありませんが、宿題忘れについては厳しく‥Aくんを立たせ、皆の前で問い詰めました。

 

9月1日

先生‥「夏休みの宿題を一つも持って来てないのは、あなただけですよ。どうして持って来てないの?」

Aくん‥「・・・家に忘れました。」

先生‥「なら、明日持って来られるの?」

Aくん‥「・・・はい、明日持って来ます。」

 

9月2日

先生‥「Aくん、宿題を提出しなさい!」

Aくん‥「・・・ええと、朝、持って来ようとしたんだけど〜‥、慌ててて、うっかり‥玄関に置いてきてしまいました。」

先生‥「じゃ、お母さんに電話して、持って来てもらいなさい!」

Aくん‥「お母さんは仕事だから、いません。」

 

私はこの時、Aくんの隣の席だったので‥

Aくんの様子を、見ていました。

 

固く握りしめた拳が、震えていました。

下を向いていましたが、泣いてしまうんじゃないかな?‥と思うくらい、辛そうな呼吸が伝わってきました。

 

私は、Aくんに意地悪されたことがあるので、正直言って‥嫌いでした。

でも‥この時は、何故か胸が痛み「頑張れ!」と、心の中で応援していました。

 

先生は、Aくんに座るよう促し、連絡帳を出すように言いました。

 

先生→Aくんのお母さんへ

連絡帳には「Aくんが夏休みの宿題を持って来ていません。ご家庭でもご指導下さい」‥と、いったような内容のメッセージが書かれているようでした。

☆☆☆

 

新学期が始まり、しばらくは‥

授業の中に、夏休みの宿題が関わってきます。

 

手作り工作は、教室の後ろのロッカーの上に飾られ‥どんなところを工夫して作ったか‥など、発表し合います。

「夏休み・思い出日記」を、読んで発表したり‥

夏休みドリルの答え合わせをしたりします。

 

Aくんは、宿題を持っていないから、どれにも参加出来ないけど‥平気な顔して、ただ‥そこに居ました。

 

私はAくんを見ていて、不思議でした。

何で平気なんだろう!?

 

私だったら‥辛くて、学校来るのが嫌になるか、どうにかして宿題終わらせて‥皆と同じように参加するだろう‥  と、思ったんです。

☆☆☆

 

数日後‥先生がAくんに聞いてきました。

隣の席の私にも、その会話は筒抜けです。

 

先生‥「連絡帳は、お母さんに見せてくれた?」

Aくん‥「・・・はい」

先生‥「お母さん、先生にお返事くれないけど、宿題はどうなってるの?連絡帳、ちょっと見せて!」

Aくん‥「・・・連絡帳、家に忘れました。」

先生‥「机の中と、ランドセルの中を見せなさい!」

Aくん‥「・・・」

 

先生は、半ば強引に‥  机の中から連絡帳を見つけ出し、先生がお母さん宛てに書いたページが、破れているのを見つけました。

 

先生‥「先生がお母さんに書いたページ、破いたんだね、見せてなかったんだね?」

Aくん‥「ええと‥  そのページに、ちょうど水溢してしまい、破れたから‥見せられませんでした。」

先生‥「・・どうしてあなたは嘘ばかりつくの?」

Aくん‥「・・・」

 

その時のAくんは‥「平気な顔」ではありませんでした。また、下を向いて‥苦しそうな呼吸で、握りしめた拳は震えていました。

だから‥また私も胸が痛み‥「頑張れ!」と、心の中で応援していました。

 

この時、私はわかりました!!

授業の中で「夏休みの宿題」の発表会があっても、平気な顔してそこに居たAくん‥  

でも本当は、全然平気じゃなかったんだ!!

☆☆☆

 

この後、どうなったか‥  私の記憶はここまでです。

 

先生は、教室で皆の前ではなく、職員室で改めてAくんと話したのか‥

お母さんには、直接電話にしたのか‥  それとも何か‥複雑な事情のある家庭環境だったのかな‥等と、勝手な想像をしますが、事実は解りません。

でも結局、Aくんはこの年「夏休みの宿題を持って来なかった」と思います。

 

今でも、固く握っている拳が震えるくらい、苦しいの堪えて頑張ってるAくんが忘れられません。

当時10歳の私の心が、揺さぶられた感覚も、忘れられません。

 

 

Aくんは「宿題を忘れた」のではなく「宿題をやっていなかった」のは、間違いなかったと思います。

 

「やっていない」と言えず「忘れた」を貫いたのです。

「忘れた」という嘘で、その場を乗り切ろうとするから、「連絡帳も忘れた」「先生が書いたページは破いたのではなく、水を溢してしまった」‥と、

嘘を突き通すため、嘘を重ねていく‥  どれも、子どもならではの‥稚拙なものばかり。

 

シリーズ⑧にも書きましたが‥

子どもが「自分を守るためについた嘘」は、いじらしいくらい一生懸命なだけです。

 

Aくんの心の、本当のところは解りません。

でも、Aくんには「嘘をつかなくてはならない理由」があり、「宿題をやるに至らない・やれない理由」もあったのは、確かだと思います。

☆☆☆

 

私は、成績は‥良い方ではなかったですが、提出物の期限は守る子でした。

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でも‥今思うと‥私は宿題をやりたかったわけではなく「やらない勇気」が無かっただけかもしれません。

Aくんに、どんな理由があったのか‥解りませんが、「宿題=やらなきゃいけないもの」前提で、考えていた自分に気づきました。

 

 

宿題って、そもそも‥「やらなきゃいけない」ものなのでしょうか?

 

宿題は「学力を上げる」‥以外にも目的があります。

大人になり自立し、仕事をするときに‥「社会の枠組みの中のルール」が、守れないと、生活や仕事に支障が出ます。周りに迷惑がかかったり、本人自身が生きづらい思いをします。

だから‥子どものうちから「出来るようになる練習」をするため。

そのために、学校には宿題以外にも、沢山のルールがあるのです!

模範解答は‥きっとこうかな? 

いや〜‥  正論ですねぇ‥ 

こんな正論で来られたら‥子どもは何も言えなくなりそうです。

 

でも、言えなくなっただけで、心で理解していないと思います

 

「やらなきゃいけないからやる」というルールが納得いかない‥だからやらない!‥という子がいたなら、それは素晴らしい勇気かもしれません。

 

宿題をする=良い・宿題をしない=悪い 

学校へ行く=良い・学校へ行かない=悪い

 

そんな空気が、学校教育にも、家庭教育にも‥暗黙のルールのように、染みついていませんか?

だからあの時も、先生はAくんを責めるように、詰めよったのだと思います。

 

良い・悪い ではないのに‥って思います。

 

子どもが自分の心を大切にして「やらされる」のではなく、自分の意志で、行動することの方が、ずっと大切だろう‥と、今の私は思います。

☆☆☆

 

全てが異例づくしの今年も、

例年より短い夏休みが終わり、学校が始まったようです。

 

私は毎年、夏休みが終わり‥2学期の始まりには、大丈夫かな‥と、心がざわつきます。

理由は、この時期耳にする‥学校の始まることに絶望し、命を断つ子どもたちのニュース‥  

どうして、学校に「行かない」選択肢をえらべなかったのだろう‥と、堪らない気持ちになるのです。

 

今の学校は、宿題を持ってこない子に対しても‥

学校に来ない子に対しても‥ いじめに対しても‥

先生には「対応マニュアル」があると聞きました。

実は‥少し内容も耳にしたのですが‥「大人の正論だよね」と、感じました。

(*私は学校関係者ではありません。あくまでも私が耳にした情報であること‥ご了承下さい)

 

Aくんのように‥先生に詰め寄られ、嘘を重ねている子が、いるかもしれません。

どうか、大人の都合、大人の正論で、子どもの心を縛りつけないで‥子どもの心を見つめてほしいです。

宿題をやらない勇気・学校から逃げる勇気を、認めてあげてほしい‥  心から願います。

☆田中里美☆

 

《 今日の空色 》子どもの頃、学校に行きたくない日は、登校中の青空が憎らしかった。学校に行くのが楽しい日は、どんな空でも‥素敵に見えた。9月1日の空が好きな子は、今どのくらいいるんだろう?

「大人の作った正論」に疑問があっていいんだよ。自分の感じるままを感じていいよ。

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