空色のこころ

心理カウンセラーの田中里美です☆よろしくお願いします

「反省」が解らない人 ← それは脳機能の問題かもしれません

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こんにちは!

カウンセラーの 田中里美 です。

 

話題の書籍‥紹介します。

 

*注意*ネタバレありです。

 

 

《 書籍紹介 》「ケーキの切れない非行少年たち」

著者‥  児童精神科医・宮内幸治

 

《 内容 》児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で「反省以前の子ども」がいるという事実に気づく。

認知能力が低いため‥ケーキを等分に切ることが出来ない。脳機能の問題により‥「描けない」のである。

そんな彼等は「反省」という感情がわからない。

人口の約10%位とされる「境界知能」の人々に焦点を当て、問題の根深さ‥普通の学校にも存在するという現実を伝え、「生き辛さ」を抱えているであろう彼等のために‥実践的なメソッドを公開している。

 

☆☆☆

心理カウンセラーとしては、読んでおきたい一冊です。大変勉強になりました!

 

私は「境界知能」という言葉は、心理学セミナーで「脳機能」について学んだ時に知りました。

 

境界知能の「境界」とは、IQが「軽度知的障害」と「普通脳」との‥境界あたりの数値を示している人々です。

彼等は、発達の顕著な遅れはなく、集団生活でも、難しさはあれど‥「個性の範疇」とも見えてしまうし、勉強なども「苦手なんだね」‥ということで、片付けられ、どうにか生活に適応出来てしまうことにより、診断されずに成長していくことが殆どだそうです。

 

しかし‥彼等は、脳の機能に問題があるため、普通の人が描けるものが描けない‥  認知能力が低いのです。

ゆえに‥それらは、問題行動となり表れることが多々ありますが、叱られても‥「叱られるからやめる」ことはあっても、心からの「反省や謝罪」は、脳が理解出来ない、描けない‥のです。

 

 

「まあるいケーキを、三等分してください。」と、言われたら‥  普通の脳機能の子は、小学校低学年くらいで、迷わずに出来そうです。

皆さんも、あの‥ベンツのマークみたいな線が、頭の中に浮かんだことでしょう。

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しかし‥境界知能の彼等には、ケーキの三等分は難しいのです。

犯罪を犯した少年が、三等分ではない線を描くことがあり、認知機能が低いことを知る‥手がかりとなるそうです。↓

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境界知能、発達障害など‥  脳機能に問題があり、認知機能が低い彼等は、衝動が抑え切れず犯罪を犯し、被害者側の気持ちに共感出来るだけの「想像力」を持ち合わせていません。

 

 

私は思います。

彼等は、学校では劣等生で、問題児だ‥という扱いをされ、家庭では育てにくい子だと言われ、居場所なく‥生き辛さを抱えながら‥生きてきたかもしれません。

自分の辛さを意識化→言語化して伝える能力もなかったとしたら‥?

誰一人として、理解者がいなかったとしたら‥?

そして、そんな彼等が、衝動のまま‥犯罪を犯したなら‥?

もし、そうだったなら‥

彼等は加害者であり、被害者でもある‥  かもしれないのです。

生まれつきの「脳機能」が、問題であり「悪気」さえもないかもしれないのですから。

 

小さい頃から、どこに行っても‥受け入れられず、否定され、嫌われてきたとしたら、相当苦しかったと思います。

「苦しかった自分」を、自分自身の心でさえ、理解することも出来ない。

「でも、実は苦しい」という‥「無意識の迷路」の中にいるのかもしれない状態です。

 

 

では、どうしたら良かったのか‥?

「境界知能」の特性を理解して、彼等の「生き辛さ」を、共に考える存在が必要です。

 

犯罪を犯すに至る前に‥周囲の大人が、認知機能の問題に気づいてあげていれば、何か‥出来ることがあったかもしれないのです。

 

 

書籍には、こういった‥認知機能の低さにより「反省以前の子どもたち」に、認知機能を高めるトレーニングをするよう勧めています。

 

普通学級にいる‥成績が下から5人位の子や、問題行動を起こす子‥などに焦点を当て「生き辛さ」に、早期に気づき、認知機能を高めるトレーニングワークに取り組ませてあげ、意欲を持たせ、評価、認めてあげる方法‥などを、具体的に紹介しています。

☆☆☆

 

普通級にいるものの‥ついていけない。

発達障害も、知的障害とも‥診断されない「グレーゾーン」の子どもたちは、所属場所が曖昧です。

診断され、障害児学級などの適切な場所で、適切な指導をされる子の方が、自分に合う居場所を手に入れている分、生きやすいのでは‥と思います。

 

この著書が、グレーな子どもたちの、助けになれば何よりですね。

 

 

カウンセリングでも、クライエント様の悩みの背景の一つに「発達障害」や「診断はされてないけど生きづらい」というお話は、よく出てきます。

ご自分がそうだと話されたり、家族にいらっしゃったり‥  生活に支障ある「生き辛さ」があったり‥

 

もしかしたら‥

「悪いことであると知ってる」けど「どうして悪いのか」‥理由は解らない‥という「境界知能」の方に、私自身も、出会うかもしれません。

 

少数派の彼等の存在を知っておくことで、カウンセラーとして「クライエント様のお悩みの背景」を、もっと深く描けるように‥  意識を広げる必要があると痛感した私でした。

☆田中里美☆

 

《 今日の空色 》冬でもないけど、まだ春でもない‥三寒四温繰り返す季節です。今日は曇り空で、雨が降ったり‥晴れたり不安定なお天気でした。こんな曖昧な季節、曖昧なお天気が‥一年中続いたら、苦しいですね。「グレーゾーン」の子どもたちは、もしかしたら‥常に、こんな重苦しさを、抱えているのかもしれないですね。

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*カウンセリングご案内*

https://www.uraraka-soudan.com/listing/position/8

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